茨城県中小企業家同友会 経営指針を創る会
自社のあり方・存在意義を考え抜く
中小企業家同友会は47都道府県にあり、約46000名の中小企業経営者が加盟している団体です。
中小企業経営者が自主的に参加し、みんなで運営して、経営体験を本音で語り、学び合い、経営者として、人間として成長する、経営者の学びの場・成長の場です。
経営指針とは、同友会が提唱する経営指針とは、経営理念・経営方針(ビジョン)・経営計画 の3つを総称しています。
経営理念とは企業の社会的存在価値やどんな内容の企業を目指すのかを表すもので、経営者の哲学・経営感が色濃く反映され、更には科学性(事業としての市場や環境への適合性)、社会性(地域社会人間生活への貢献内容)、人間性(社員と共に目指す企業像)を表し企業の根本的な考えを明示するものです。
経営方針(ビジョン)は経営理念に基づいて長期の目標と到達の道筋を示したものです。
経営計画は、目標に対しそれを達成するための手段・手順を具体的に策定するものです。
ご相談頂いた課題 | 同友会が提唱する「経営指針」を創る経営者達が語り合うための「場づくり」をしてほしい。 |
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私たちのサポート | 経営指針を創る会の後半部分(現状分析、シナリオづくり、中期経営計画や単年度事業計画の策定)を担当しています。 |
論語と算盤、経営哲学と経営戦略の両立
この「経営指針を創る会」の特徴は、経営理念や経営方針(ビジョン)の策定からスタートすることにあります。
事業を継いだ二代目、三代目の社長もいれば、自分が創業者という方もいますが、
いずれにしても経営理念・方針がなくてもそれなりに事業は成り立ちます。
むしろ、儲かるかどうか?(事業として採算がとれるか?)で事業を起こすことが多いのも現実だと思います。
※以前、100年以上続く老舗に関する書籍を読み漁っている中で、創業時に理念がない会社のほうが圧倒的多数であることを知り、だろうな~と納得したことを覚えています。
とはいえ、儲かるかどうか?のみを意思決定の基準とした場合、
短期的な利益を追いかけて長期的な利益を得るための投資を怠り、会社をつぶしてしまうリスクが高まります。
行動経済学などの研究でも「人は、長期的な利益よりも短期的な利益を優先しやすい」ことが明らかになっています。
つまり、心の赴くままに経営すると、長い目で見て倒産するリスクが高まるということです。
そこで必要になるのが経営理念・方針です。
自分を律し、一時のもうけ話や不安に左右されず、逆境に立ち向かう強さが経営者には求められます。
「対話」から生まれる経営理念・方針
業界・業種が異なる経営者同士の対話は、これまでにない多くの気づきを与えてくれます。
講師役である私から、
損益計算書や貸借対照表の見方。自社の戦略に沿った分析の仕方など、知識やスキルの提供も必要があれば行います。
しかし、あくまでメインは経営者同士の対話の場であり、その場づくりが私の重要な役割となります。
理念・方針を定めるには、自社の歴史や先代社長と向き合ったり、地域社会の人々や、社員、取引業者など多くの人々と向き合い、対話していくことが欠かせません。
何よりも大切なのは、経営者自身が「自己と対話」すること。
自分と向き合い、自分が何者か?が見えた経営者は強い。そう実感しています。
コロナ禍での経営指針創り
コロナ禍での経営指針創りは、いろいろな意味で刺激に満ち溢れていました。
不慣れなデジタル・オンラインの活用に四苦八苦するも、いまこれを身につけなければ未来はない!と努力する人。
事業環境が激変し、今の事業がじりじりと苦しくなる中で、自分や会社と向き合い続ける人。
順調に事業が伸びる中で、コロナ禍への対応も必要となり、忙しさに拍車がかかっている人。
ようは、指針創りに集中しにくい要素が山ほどあったということです。
今回参加された皆さんは、本当に大変な中での指針創りだったと思います。
再来週、そうして考え続けてきた指針の発表会が予定されています。
納得のいく発表会となること。
新たな経営指針に基づく経営の、よきスタートの日となることを願っています。