Facet5を活用したキャリアカウンセリング

個人支援

某市役所にお勤めのGさん

いろいろな仕事を経験してきたが、中長期的な戦略に基づく計画立案や進捗確認などを担う企画系部門で、とてもやりがいを感じた。
直接市民と接する窓口業務も経験。あまり向いていないように感じることも多かったが、直接感謝の言葉を聞くことができて楽しかった。
窓口のある部門や間接部門を経験してきたが、個人的には企画・財務・人事など、より自治体経営に関わる仕事をしていきたいと考えている。

ご相談頂いた課題 自分の特性と、上司から求められる人物像が合っていないと感じている。組織で評価されるものが、自分にはない(向いていない)要素だと感じ、今後のキャリアを描きあぐねている。
私たちのサポート Facet5を活用した自己理解・他者理解と、自分の強みを活かしたキャリア形成に関するコーチング

Facet5とは?

要点のみ箇条書きにすると次のようになります。

  • 英国(ケンブリッジ)に本社のある企業が開発。
  • 1980年代後半に開発され、ヨーロッパを中心に活用されている。
  • 30ヵ国語で提供され、最先端のテクノロジーでサポートされている。
  • 世界各地の企業やコンサルタントが利用しており、個人・チーム・組織における採用・人材開発・マネジメントを支援ツールとして活用されている。
  • ビジネスの場で”人の行動”を理解する必要がある人にとって最適なツールとなっている。合理的な理論と、心理測定の原則に基づく。
  • 理解および解釈が容易となるように作られている。
  • 他のパーソナリティ診断と比べて再現性が高い。
  • 20代前半までは変化することもあるが、20代後半からは安定した診断結果となることがほとんど。

「強み」と「リスク」の関係

強みとリスクの理解

「弱みを克服するよりも、強みを活かすことに集中したほうが成果につながりやすい」

という類の言葉をよく耳にします。

たしかに、自分の経験や多くのクライアントを観てきた中で、一理あると言えます。

しかし、この言葉だけだと、「強みは、ときに弱みとなる」ということが見落とされがちです。

 

「強み」は状況(仕事・課題)によっても定義される

例えば、物事を計画的に、段取りよく進めるのが得意だったとします。

担当する業務において、過去の事例を調べ、それに基づき計画を立て、本番で慌てることがないようにきちんと準備を進める。

Facet5における「自律性:Control」に関わる特徴ですが、このような特徴の場合、定型的な業務を進める上では「強み」だが創造・革新的な業務を進める上では「弱み」のようになってしまう場合があります。

前例にとらわれず、新しい発想や新しい技術、新しいビジネスプロセスをデザインし、顧客の反応や状況を見ながらピボットを繰り返し、正解を見つけていくような仕事の進め方。

自分の「強み」が発揮されない。あるいは「強み」に囚われることで、このような状況に対応できないということも起こります。
そのような自分の特徴を理解した上で、思考パターンや立ち振る舞いを切り替える必要があります。

Facet5は、仕事の向き不向きについても気づきを提供してくれます。さらに、上司からのサポートやチームメンバーとの協力のコツなど、向き不向きを周囲との協力によって乗り越えていくための示唆に富んでいます。

 

「強み」はリスクでもある

「自分はこれが向いている。自分はこういう人間だ!」というような思いが強くなると「自分はこれしかできない」や「自分に向いていないことをさせるな!」というような思考につながってしまうことがあります。

また、人は常に一定ではありません。感情の揺れ動きがあるのが普通です。

その揺れ幅によっては、「はっきりと主張できる」という強みが「傲慢で相手への配慮がない態度」となってしまうこともあります。

「強み」を発揮するには、自分の心のありように気づき、適切な心の状態へと導く技術も必要となります。

瞑想やマインドフルネスなど、この分野は近年研究が盛んですが、自分を知ることとだけでなく、自分を適切な状態に導けることも「強み」を発揮するためには欠かせません。

Facet5は、この強みの持つ「リスク」についても多くの気づきを提供してくれます。

5大因子と17のファミリー像

Facet5では、意志・エネルギー・配慮・自律性・情動性という五大因子と、その組み合わせからなる17のファミリー像が示されます。

この世には、17パターンの人しか存在しない。

という意味ではなく、「それぐらいの解像度でみると共通の特徴が見つかりやすく、それを踏まえた傾向と対策も考えやすいよね」というニュアンスです。

コーチングのタイプ分析など、4タイプぐらいの分類だとさすがに解像度が荒すぎて、当てはまらないところも多く出てしまう。

かと言って、100タイプぐらいの分類になると、分類されたもの同士の共通項や類似点もあやふやになって、いまいち理解しにくくなる。

そう考えると、5大因子(正確にはそのうちの4つ)の組み合わせによって作られた17パターンの分類は絶妙だと言えます。

例えば私は「ゼネラリスト」というファミリーに分類されますが、たしかに多くの特徴が当てはまります。
ただ、当てはまらないと感じている部分もあり、それがなぜ当てはまらないのか?をチームメンバーと対話したりします。

人はみな違う

という前提に立ちつつも、その違いを理解するために17タイプぐらいの解像度で観てみる。

それに基づく対話を重ねて、自分と相手の理解を深めていく。

Facet5に限らず、あらゆる分類は、そのような姿勢で向き合うことでうまく扱えるようになる。
そう実感しています。

Gさんへ提供したサービスの概要

Facet5を活用としたコーチング。

具体的には、

  1. Facet5の受検
  2. 受検結果のフィードバック 内容を理解するための説明+対話による気づき・学びの深化
  3. フォローアップ フィードバック後、3か月程度をあけてのフォローアップ 自分の特性やチームとの関わり方を意識して過ごした結果、どのような変化があったのか?動いたことによる課題はあったか?などを整理し、次のアクションにつなげる。

という流れになります。

今回はコロナ禍ということもあり、zoomを活用したセッションとしています。

オンラインですので、記録・共有しやすいという特徴を生かし、セッションの録画データや、文字起こしアプリを使ったワードデータもお渡ししています。

個別コーチングの結果

「育成者」という自分のタイプに納得すると同時に、組織が求める人材像が違うタイプであることもよく理解できた。

自分の特徴をふまえ、チームにどう貢献していくか?もある程度見えた。

今の仕事は、自分の特徴のみだと進めにくいと感じる部分もあったが、同僚に助けてもらいながら、逆に自分の長所でチームに貢献しながら進めていくイメージができた。

「上司に期待すること」という項目をそのまま上司に伝えるのは難しいが、これを意識しながら上司と接することを心掛けたい。

また、上司のタイプも何となく理解できたので、自分のタイプと上司のタイプの「強み」の組み合わせ方を探っていきたい。

などの感想を頂き、それをふまえた具体的なアクションプランをつくりました。

3か月後のフォローアップ面談はこれからとなりますが、いまからどのような結果となるかが楽しみです。

2021/02/09
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