なぜ失敗するのか?

先日、とある経営者の方と、コロナ禍における企業経営・意思決定について話していました。

その方の持論として、

「絶対に成功する方法はないが、失敗する確率を減らす方法はある」

「何かを成し遂げたいと思ったら、失敗する確率を少しでも減らすこと」

「失敗するときは、決まって合理的でない意思決定を積み重ねたとき」

というものがあります。

私も、この考えにとても共感しているのですが「合理的でない意思決定」について、もう少し具体的にできたらな~と考え始めました。

 

人が不合理な選択をしてしまうのはなぜか?

この問いは、「行動経済学」や「行動科学」などの分野で盛んに研究されています。

それを、意思決定が必要な場面でセルフチェックするようなリストにしたいと考え、作成し始めました。

現在、12項目となっていますが、今後も研究・対話を重ねて充実させていきます。

 

失敗の確率をさげるための、12の「問い」

  1. 今の自分は傲慢な考えになっていないだろうか?
  2. 未来のためになる選択肢はなんだろう?
  3. 今さえよければ・・・になっていないだろうか?
  4. 失敗を恐れて、真にやるべきことを避けていないだろうか?
  5. 「挑戦しないリスク」はなんだろうか?
  6. 知らないことを理由に避けていないだろうか?
  7. 自分が感じている違和感や嫌悪感は、知らないことから来ていないだろうか?
  8. もったいないからと、さらなる損失を出し続けることにならないか?
  9. 帰ってこないお金やモノにとらわれていないか?
  10. 自分の考えが間違っている可能性はないだろうか?
  11. 社会的に見て間違ったことをしていないだろうか?
  12. 多数派の意見に合わせるようにしていないだろうか?

 

新年度に向けて、経営方針や予算計画を組むこの時期。自分自身に問いかけるのがこの問いです。

「変えることが目的化していないか?」ときに私たちは、変えることを目的化してしまい、変えるべきでないことまで変えてしまうことがあります。

今日はこの問いについて、少し考えをまとめてみたいと思います。

変えることが目的化するとき

翌年の取り組み、中長期的な計画を立てるための打ち合わせで、次のようなセリフが出ることがあります。

 

たしかに、どの意見も一理あって、私自身も同じことを繰り返すのは苦手な方です。

今年も取り組んだことを翌年も取り組むのであれば、少しでも改善・改良し、より良いものを提供したいという思いも強く持っています。

ですので、変えること自体には大賛成なのですが、このとき立ち止まって考えるべき問いがあります。

それが、「変えることを目的にしていないか?」「本来変えるべきではないことまで、変えようとしてないか?」という問いです。

変えることに目を向けるとき、同時に『変えてはならないこと』がないかを確認することの重要性。過去の痛い失敗経験から学んだ教訓です。

 

不易流行を考える

以前、変えることを目的化し、お客様から高く評価されていたサービスをやめてしまったことがあります。その時にお客様から教わった言葉が『不易流行』でした。

私はこの言葉を、

不易・・・外部環境として変わらないもの、内部環境として変えてはならないもの。

流行・・・外部環境として変わるもの、内部環境として変えるべきもの。

と解釈して活用しています。

この視点を持つと、変えることが目的化されてしまうことを防ぐことができます。

自分たちの持つ価値、お客様からみた価値あるものは何か?を徹底的に考え、来年以降も引き続き大切にしていくものを定める。

時代の変化に合わせて変える必要があることもあるが、時代が変わっても守り続けるべきもの、普遍的な価値を持つものは何かを見定める。

来年以降も引き続き大切にしていくこと、守り続けることは何か?それを熟考したうえで、変えるべきことを変えていく。

そんな姿勢を忘れずに進んでいきたい。そう思います。

 

このページの一番上に戻る