サロンでは、毎週日曜日に、リーダーシップやチームワークに関するコラムを投稿し意見交換しています。
今週の投稿は「評価」をテーマにしたのですが、自分の所属する組織の、自分が体験した「評価」についての具体的なやり取りがなされ、理想と現実、課題と解決法について話し合える、有意義な機会になったと感じています。
オンラインサロンにご興味のある方はこちらから。
https://community.camp-fire.jp/projects/view/358725
今日は、その投稿内容をご紹介します。
日曜日:リーダーシップやチームワーク、自己理解関連のコラム配信
004.人が人を評価するということ。
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今日のテーマは「評価」です。
皆さんの自己紹介や興味関心のあるテーマ(ブレスト)でも比較的話題となっていた「人事制度」にも深く関係するものなので、コラムとしてまとめてみます。
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生き残るために、人は人を評価する!?
「あの人って、こうだよね~」
「あの人の、こういうところが好き(嫌い)」
そのような、日常のうわさ話も含めると、一日に何度も行っている「評価」という行為。
霊長類の群れの中でも、うわさ話(あの人ってこうらしい・・・)が存在するそうです。
近づいては行けない危険な人物を共有したり、気難しい相手との接し方を共有したり・・・。
うわさ話は、コミュニティを維持するために、自分たちの安全を確保するために、とても大切な情報となっている。
そうした、集団の維持・形成に必要な、人に関わる情報の共有が「評価」という行為の起源とも言えます。
評価とは、遺伝子に組み込まれた、種の存続に必要な本能的な行為である。
ということです。
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仕事や日常にある評価
親が、子供をほめたり叱ったりするとき、それは何らかの基準にもとづいて(あるいは親の機嫌にもとづいて)行われています。
上司が、部下の仕事についてフィードバックするときも同様です。
カフェや居酒屋で、誰かの相談に乗り、その人にアドバイスするときにも「評価」が行われています。
とても日常的なもので、誰しもが毎日やっていること。
意識的に、無意識的にやっていること。
個人的な価値観・本能に基づいている場合が多いもの。
それが「評価」です。
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組織における「評価」の役割
組織における人事評価とは、
「組織として定めた合理的基準に基づき、その行動や成果の良し悪しを判断し、点数や序列をつけること」
となります。
その点数や序列は、採用・昇給・昇進・異動・教育などの人事的行為に結びついているため、評価次第でその人の運命が決まる。
といっても過言ではありません。
しかし、「組織として定めた合理的基準に基づき」というのが、現実には非常に難しいようです。
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人は評価を間違えやすい
「評価エラー」という言葉があります。
主に、人事評価などの場を想定した心理実験で確認されている、誤った評価としてしまうバイアスを指す言葉です。
代表的な「評価エラー」には次のようなものがあります。
ハロー効果
あの爽やかな人は、仕事もできるに違いない。
など、一つの特徴に引きずられて、ほかの部分が思い込みによる評価になってしまう傾向を指します。
選挙の際の候補者選定(有名人に票が集まるなど)や、企業のCMなどもハロー効果が使われていると言われています。
これを防ぐためには「組織として定めた合理的基準」に対する理解を深め、それに基づいて日々の行動を観察することが欠かせません。
直近化傾向
あいつ、最近大きなミスをやらかしたよな~。やる気というか、集中力が足りないんだよな~
など、最近の出来事や印象に引きずられて、評価前提がゆがめられる傾向を指します。
同じミスでも、半年前にしたのか、最近したのか?で評価が変わってしまう。
人は良くも悪くも忘れやすいため、意識的に記録することが必須となります。
日常生活においても「あの人最近○○だよね~」という話は、直近化傾向からくる誤った見方(評価)である可能性があります。
寛大化傾向
最近子供が生まれて、あいつは最近頑張ってるし、実際仕事対する向き合い方も変わってきている気がする。
ほめて伸ばす。というのが大事で、欠点を指摘するのではなく良いところを見て評価したい。
などの理由から、評価全般が甘くなり、実際よりも高い評価をつけてしまうことがあります。
上司と部下の間に心理的安全性がなく、どちらも気を使って話をするような場合も評価が甘くなりやすいようです。
そうならないためには、日々コミュニケーションを取り、率直に話し合える関係を築いていくことが欠かせません。
と、このように、私たちは「評価」をとても間違えやすい。
という前提に立ち、日々対話し、観察し、記録することを積み重ねていく必要があります。
実際、これはかなり労力が要ることで、そんな時間はないよ!という声も現場ではよく聞かれます。
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成果主義
すべてを結果・成果で評価する「成果主義」は、対話・観察・記録にかかる労力を抑えることにもつながります。
そのため、バブル崩壊後の日本で、ブームのように広まり、多くの民間企業で導入されました。
たしかに、評価を金銭的報酬のための行為と考えると、とても合理的な考え方なのですが、金銭を決めるだけの評価は、様々な弊害をもたらします。
人は、本能的・心理的に、金銭以外の報酬も求めている。
行動科学や組織心理学など、最近の研究で、そのことがより明らかになっています。
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非金銭的報酬
組織における「評価」は、様々な人事的行為と結びついているわけですが、人事的行為のすべてが「金銭」と結びついているわけではありません。
金銭的報酬とは、給与・賞与・手当などの他、資格取得支援など間接的に金銭面をサポートするものが含まれます。
非金銭的報酬とは、仕事の面白みや、目的・意義への共感。自分の成長を実感すること。上司や組織に対する尊敬や信頼感。仲間との一体感などが含まれます。
非金銭的報酬は、評価する側とされる側のコミュニケーションによって感じられるものが多く、これをおざなりにすると、評価に対する納得度は著しく低下します。
成果主義による人事評価がうまくいかないのも、この非金銭的報酬が大切にされにくいことが大きな要因とされています。
上司が部下にする評価でも、親が子供にする評価でも、この非金銭的報酬を意識したコミュニケーションが取られているかどうか?がとっても大事だな~と日々実感します。
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評価の未来
将来は、ビックデータとAI、バイオテクノロジーによって、合理的基準に基づく客観的評価が実現されると言われています。
すでに、結婚相手のマッチングや、犯罪者の再発防止、銀行やクレジットカードの契約手続きから貸出額の決定まで、ビックデータとAIによる「評価」が行われています。
AIカメラやバイオメトリックセンサーによって、人間の日々の行動、感情やホルモンの変化などが測定可能になると、人の評価よりAIの評価が正しい。という傾向は益々強まっていきます。
人の、曖昧な評価を懐かしむ日が来るかもしれません・・・。
とはいえ、忘れてはならないのは、非金銭的報酬としての価値が「評価」にはある。
「合理的基準に基づく客観的な評価」を伝えるだけでは、非金銭的報酬が得られず、不満の残る結果になるのは、AIでも人でも同じ。
ということです。
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おわりに
「評価」という行為の持つ意義・意味をできるだけ簡単にまとめよう!
と思ったのですが、とても難しいようです苦笑
まだまだ書きたいこともあったのですが、書いたからと言って伝わるわけでもなく、
すでに2500字ぐらいになっているのでやめておきます。
「評価」を含めた、人事制度については、また別の機会に取り上げたいと思います。
このことについて書いてほしい!などの要望があれば、気軽にコメントください。