変えることを目的にしていないか?
新年度に向けて、経営方針や予算計画を組むこの時期。自分自身に問いかけるのがこの問いです。
「変えることが目的化していないか?」ときに私たちは、変えることを目的化してしまい、変えるべきでないことまで変えてしまうことがあります。
今日はこの問いについて、少し考えをまとめてみたいと思います。
変えることが目的化するとき
翌年の取り組み、中長期的な計画を立てるための打ち合わせで、次のようなセリフが出ることがあります。
- もう何年も同じことをやってきたから、そろそろ変えてみようか・・・。
- 毎年同じことをやっていても芸がないから変えていこう!
- 毎回同じで飽きてきたよね~。自分たちも刺激が欲しいしガラッと変えよう!
- 世の中は日々変化しているわけだし、変えないことは衰退だよね~。
たしかに、どの意見も一理あって、私自身も同じことを繰り返すのは苦手な方です。
今年も取り組んだことを翌年も取り組むのであれば、少しでも改善・改良し、より良いものを提供したいという思いも強く持っています。
ですので、変えること自体には大賛成なのですが、このとき立ち止まって考えるべき問いがあります。
それが、「変えることを目的にしていないか?」「本来変えるべきではないことまで、変えようとしてないか?」という問いです。
変えることに目を向けるとき、同時に『変えてはならないこと』がないかを確認することの重要性。過去の痛い失敗経験から学んだ教訓です。
不易流行を考える
以前、変えることを目的化し、お客様から高く評価されていたサービスをやめてしまったことがあります。その時にお客様から教わった言葉が『不易流行』でした。
私はこの言葉を、
不易・・・外部環境として変わらないもの、内部環境として変えてはならないもの。
流行・・・外部環境として変わるもの、内部環境として変えるべきもの。
と解釈して活用しています。
この視点を持つと、変えることが目的化されてしまうことを防ぐことができます。
自分たちの持つ価値、お客様からみた価値あるものは何か?を徹底的に考え、来年以降も引き続き大切にしていくものを定める。
時代の変化に合わせて変える必要があることもあるが、時代が変わっても守り続けるべきもの、普遍的な価値を持つものは何かを見定める。
来年以降も引き続き大切にしていくこと、守り続けることは何か?それを熟考したうえで、変えるべきことを変えていく。
そんな姿勢を忘れずに進んでいきたい。そう思います。