ノルマが企業を破綻に追い込む
日経ビジネスの過去記事で、
「コロナ+高ノルマ」 企業破滅への最短距離
( https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/00562/ )
という話が目に留まりました。
組織にかかわる仕事をしていると、
「目標管理」「成果主義」「KPIやバランススコアカード」
など、このノルマや目標に関することがよく話題となります。
ここで、経営者目線で考えなければならないのは、
「倫理的に問題となるような行動につながるノルマと、そうでない目標の違いはなんだろう?」
これを間違えると、記事にあるように最終的には企業破綻につながってしまうような大問題となる。
この記事はその事実を物語っています。
目標とノルマの違い
同じ目標であっても、
- 自分たちだけなく顧客や社会のためになると心から思える。
- 自分の成長につながる。未来の自分のためになる。
- 目標達成のための試行錯誤は辛いこともあるけれど総じて楽しいと思える。
のような、内発的動機づけとなるようなケースもあれば、
- 達成しないと自分にとって不利益が生じる
- とにかく褒められたい。認められたい。
- 強制されたので仕方なくやる。
というような外発的動づけにつながり「自分さえよければ・・・。」という思考、
あるいは思考停止につながってしまうケースもあります。
この後者はノルマと表現されることが多いようです。
もともとノルマは「基準を設定して守らせる」というニュアンスの言葉です。
つまり、誰かに強制されるもの。
その時点で、外発的動機づけが前提になっています。
一方、目標設定という言葉を使うときには、自分で設定する。納得の上で決める。
というニュアンスが含まれていると思います。
つまり、自分のために自分で決めるもの。
内発的動機づけにつながってほしいという思いが含まれている。
内発的動機付けにつながる目標設定とするために
目標設定を仕掛ける側(社長や管理職、あるいは家庭における親の立場)は、内発的動機づけにつながるような目標設定。
すなわち、
- 自分で決めることが大前提であり、
- 目標達成の社会的意義や顧客にとっての価値が見えていて、
- それにチャレンジすることが自己成長や自己実現につながり、
- チャレンジが歓迎され、それによる失敗も許容されるなかで、
- 目標達成までの道のりにある苦難も楽しみ、喜びにつながっていくようなサポートが必要となること。
を前提に、社員や部下、あるいは子供と接する必要があります。
ノルマは、時代の変化とともに、よりネガティブな印象・作用を持つ言葉になっていると感じています。
肉体労働から知的労働へ。
その人それぞれの個性を生かしながら、主体性・創造性を発揮して活躍してもらうためには、ノルマを極力減らす必要があります。
組織の論理よりも個人の思いが尊重される時代において、死語になるべき言葉。それがノルマなのかもしれません。