昨日の幹部社員による発表会に続き、この日は経営者による経営指針発表会でした。
(株)Co-Labでは、1年間のプログラムのうち後半の中期経営計画策定部分の講師を担当させていただきました。
歴史的に見ても、ひとつの事業が100年以上成長し続けるということはまずありません。
長く続いている企業でも、少しずつ事業を変化させながら、それぞれの時代を生き抜いてきました。
現代はそのサイクルがより短くなり、10年単位で変化させなければならない、とも言われます。
それでも、理念や哲学といったものは時代を超えて必要とされる普遍的なものです。
このプログラムでは、経営者が、そんな普遍的で長期的な経営指針を策定できるようサポートしてきました。
そして、もうひとつこのプログラムで重要なことは、経営者同士が今後も協力し合える関係を築くことです。
地方の小さな企業の場合、同族企業や家族経営であったり、顧客との距離が非常に近かったりと、一般的なマーケティング理論や経営スキルだけでは説明できない複雑な事情を抱えていることが多くあります。
そんな状況を乗り越えるには、同じような環境で切磋琢磨し情報交換し合える仲間が重要になります。
発表者の皆さんにとって、目の前の経営をしながらプログラムに参加するのは、それだけでもハードだったのではないでしょうか。
加えて、会社の理念とは、経営者にとっては自分自身の理念でもあり、自分に向き合うという作業は精神的にも苦しい作業です。
そんななか参加者の皆さんは、ご家族や従業員の支え、経営者仲間の励ましを受けて、気持ちのこもった発表をしてくださいました。
町の困っている人たちを支えよう、身近な人たちと幸せを分かち合おうとする姿は、いわゆる「生業」であり、商売の原点とも言えるかもしれません。
地域とともに、日々触れている方々だからこそ、実現できる経営があると思います。
今後のご活躍を期待しています。
経営指針成文化セミナーとは?
中小企業家同友会が、「21世紀型企業づくり」を目指すにあたって不可欠と考える「経営指針」を策定するための実践型プログラムです。
中小企業家同友会が考える経営指針とは、経営理念、経営方針(ビジョン)、経営計画の3つ。
- 経営理念:企業の社会的存在価値やどんな内容の企業を目指すのかを表すもの。経営者の哲学・経営感が色濃く反映され、更には科学性(事業としての市場や環境への適合性)、社会性(地域社会人間生活への貢献内容)、人間性(社員と共に目指す企業像)を表し企業の根本的な考えを明示するもの。
- 経営方針(ビジョン):経営理念に基づいて長期の目標と到達の道筋を示したもの。
- 経営計画:目標に対しそれを達成するための手段・手順を具体的に策定するもの。
これらを1年かけて策定し、具体的な経営へと落とし込めるようにします。